NHKスペシャルの再放送見て夜更かし

「フリーター漂流 モノ作りの現場で」っていう番組。
こないだ、本放送の時に、半分しか見れなかったので。

(↓以下の文は、後日書き直しました)


「今、モノ作り大国・日本は100万人のフリーターに支えられている。厳しい国際競争にさらされる日本の製造メーカー。人権費が安く、雇用調整できるフリーターは欠かせない。企業の論理で、工場から工場へと漂流するフリーターたちの半年を追った。」


番組には3人のフリーターが登場した。
彼らは皆、請負会社と契約し、故郷を遠く離れ、通信機器の工場で単純作業に従事し、
全員が、半年の契約期間を満了することなく辞職した。
単純作業、安い時給(900円だった)、突然の勤務地の頻繁な異動、
劣悪な作業環境等から、満了に至る人は少ないらしい。


携帯電話等、需要と供給のバランスが短期間に変動する製品の製造現場では、
ラインの増設/閉鎖にともない、すぐさま人数を増減できる彼らが、便利に使われているということだった。
(彼らが、いきなり工場を異動するよう言われるのは、そのため)
仕事は単純作業だが、製品のモデルチェンジの激しい業界では、機械化すると採算が合わないので
人間にやらせ、頭数の増減で調整するということだ。


そのうちの一人(仮にAさんと呼称)は、
請負先の工場で、同僚に注意されてキレ、作業用の道具をなげつけて喧嘩になり、
説得に訪れた上司にも謝罪せず(その上司も問題ありそうな人ではあったが)
5日でその仕事をやめ、実家に帰り、別のバイトをするも辞め、家にいづらくなって
友達の部屋に転がり込み、生活費も尽き、へたりこんでゲームしてるところで終わった。


父と二人、家業の運送業に従事していた北海道のBさん(35歳)は、
売上低下で二人ではやっていけないため、職を探すも見つからず、
請負会社に登録し工場勤務についたのだが、長続きせず辞めた。
しかし、再び請負会社の紹介で、「これが年齢的に最後のチャンス」と言われつつ、愛知の工場へと旅立った。


妻を連れて、赴任したCさん。工場勤務経験を買われ、リーダー業務を任されるが
時給は他のメンバーと同じ900円のまま。
工場側からの大量のノルマをこなす為に努力するが、体調を崩し、数日欠勤。
戻った時には仕事の量は減っており、当てにした残業も発生せず、その月の手取りは6万数千円であった。
彼は翌月で辞め、請負会社を通さず、直接その工場のバイトとして職につき、時給は150円上がった。


どんなに劣悪な仕事であっても、あるだけまし、という考え方もある。
働かず、何かを勉強することもなく、家でゲームしているよりはマシではある。確かに。
(ある意味、Aさんは「するべき辛抱をできない人」の典型として描かれていたと思う)


無職期間が1年続くよりも、どんな仕事であっても、空白が埋まっている方がいいとは、思われる。
私は正社員を辞めてから、次に職を探し始めるまでに、けっこうブランクはあったが、
その間に職業訓練に通い、簿記3級をとり、訓練終了2ヵ月後に2級をとったので、
空白期間を「勉強のため」と言うことができた。
その後も、飛び飛びではあるが、パソコン講師のバイトをしたり、単発の短期派遣の仕事をしたり
したので、空白期間が半年を越えたことは無いはずである。
「空白が長い」ということ自体が、次の仕事を得る障害となりうるのは確かだ。


このような請負業界は、拡大の一途を辿っている、らしい。そこに従事する人たちの数も。
私も、正社員やアルバイトでは職を見つけられず
(簿記の資格だけ取っても、実務経験が無くては話にならないのだ)、
派遣に登録し、経理系の路線はあきらめることで、やっと仕事につけたので、
「とにかく職に就くために」業者に登録する気持ちは、よく判るつもりだ。


しかし、これらの請負業務の単純作業を続けても、職歴として認められるのであろうか。
何らかのスキルは身につくのであろうか。
失礼だが・・なにもつきそうには見えなかった。同じ工場勤務でも、アルバイトとして入って、長期間働くのとは訳が違う。単純作業のみ、そしてすぐ異動させられてしまうのだから。


職歴として認められそうになく、スキルの向上も期待できない仕事に、低賃金で従事し、使い捨てられることに・・・意味があるのだろうか。
色々なことを、ひどく考えさせられてしまう番組でした。
もっというならば、私自身も、己を振り返らなくてはいけないという警鐘なのかもしれないが。


2ちゃんでスレも立ってるのでご興味のある方はドウゾ・・

http://money3.2ch.net/test/read.cgi/haken/1107604778/