「ささらさや」&「てるてるあした」

ささらさや (幻冬舎文庫)

ささらさや (幻冬舎文庫)

てるてるあした

てるてるあした


いや、情緒不安定だからじゃなくて、
すごい泣ける話だったからなんですけどね。
あまり内容を知らずによんだので、きましたわ・・・゚・(ノД`)・゚・


最初、「てるてるあした」を、なんとなく図書館で借りて、
「ささらさや」を本屋で見かけて、同じ街が舞台だとあったので、文庫を買って。


でも読む気力がなくて、ひと月くらいほったらかしてたんですよね(^_^;)
好きな作家さんの本なのに、
「読もう!」という気力が湧かず・・


が、さすがに返却期限が近づいていたので、
なんとなく「ささらさや」を先に読み、「てるてる」を後にしました。
入手した順とは逆だけど。


大正解でした(>_<)
時系列が「ささら」「てるてる」なので、絶対逆で読まないほうがいいです。
知らずにだけど、順番間違えなくてヨカッタ・・・。


「ささら」は、
事故で旦那さんを亡くしたサヤが、生まれたばかりの赤ちゃんを連れて、
佐々良という街に引越すのですが、
たよりない妻と生まれたばかりの子供が、心配でたまらない、亡き夫が
サヤのピンチに他人の姿を借りて助けにくるお話。


「てるてる」は、
親の浪費で高校進学を諦めるはめになり、その上夜逃げを余儀なくされた
中学を卒業したばかりの照代が、
佐々良の「遠い親戚」久代さんのところに転がり込んでからのお話。


どっちも、表紙のほのぼのさに騙されそうですが
主人公に降りかかる出来事は、かなりヘビーです。
「夫が死ぬ」とか「夜逃げ」とかって出来事じゃなくて
そのあと、「たったひとり」になった主人公たちに
ほんっとに現実はシビア。次から次へと困難な出来事が襲ってくるというか・・・


もちろん、徹頭徹尾「たったひとり」なのではなくて
助けてくれる人たちは、現れるのですけれど、
「さあ、これからは、私が守ってあげるからすっかり安心よ!」な助け方では
もちろんなくて、
主人公が「もう、これ以上は無理・・・」みたいなときに
ふわっと一瞬、立て直すための力になるようなことをしてくれるような感じ。


なんか上手く言えないのですが
「ああ、なんだかある意味、リアルだなあ・・」と思いました。


「てるてる」の照代は、15歳で、親にある意味捨てられ、
学校も行けなくなり、どうにかして自分の生活費を稼ぎ出さなきゃならない。
勉強には自信があったのに、バイトひとつ見つけることも困難を極める。
もうこのへんはねぇ・・読んでてキツかったです。
ほかの子は、親の庇護下でぬくぬく暮してるっていうのに。
(まあそこで、ぬるく今まで生きてきたワタクシも恥じる気持ちになるわけですが・・)


そして「助ける」側も、いつまでも、そうしてあげることはできない。
どんなにその相手のことが好きでも。心配でも。
与えられた時間の間に、出来る限りのことを、全力でやってあげるだけ。


2作とも、そういうお話だったので、読み終わったときに、もう
滂沱の涙してしまいました・・。