AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

高校デビューを目指して、中学までの自分を捨て、自己改革をはかる佐藤一郎
彼に降りかかる一夜の出来事。
そして世界は、思いもかけない方向に、怒涛のように展開しはじめる・・」


そんな感じのおはなし。確かに学園もの。


おもしろかったです。
「新しいなコレ!!」と思いました。
今まで読んだことのない切り口。


以下、微妙に、ネタバレ含む感想です
仕掛け小説なだけに、どっからネタバレかが
微妙なので・・
100%楽しんで読みたい、未読の方はご注意ください。


                                                                        • -

ただ、これを「面白い」と思える読者層は
少々、限定される気がします。
「戦士症候群」という言葉とか
「自分は前世は光の戦士だったんだ!」とかいうセリフを見て
「ああ、あれかー」と理解できる人でないと
物語の仕掛け自体が、わかりにくいのではないかと。


私は「ぼくの地球を守って」(日渡早紀の漫画。前世ものの名作です)が、
もっそい流行った頃に
青春真っ只中だった世代なので
まさに「アレかー!!」だったのですが。


「今の自分は、本当の自分じゃないんだヨー!」的幻想は
オタクだろうが、オタクじゃなかろうが
「戦士症候群」を知ってる世代だろうが、そうじゃなかろうが
共通のものかもしれないのですけどね。


ちなみに、この「AURA・・」の感想を書くときに、よく使われている
邪気眼」という言葉を、私は知らなかったので
ピンときてませんでした。
ネット上ではよく使われる言葉なのかな?


あと、タイトルが惜しいなーと思います。
「~魔竜院光牙最後の闘い~ 」は、劇中劇的意味でぴったりなんだけど
「AURA」がちょっと・・。
このお話において、
そこまで重要な意味をもつ単語とは思えないので(自分には、ですが)
改題はアリなんじゃないかなと感じました。
お話がおもしろくても、
タイトルと表紙で、もっそい読者を選んでるというか
遠ざけてる印象があります。
なんかもったいないなと。


個人的感想としては、
ゲーム脳」ならぬ「ファンタジー脳」に
侵されてる自分のアタマに
愕然としたクチです。(^_^;)
もーほんと、疑いもなく思い込んで読んでた・・・


思えば、本屋の棚には
何百人の「異世界に飛ばされちゃう選ばれた存在」やら
何千人の「特殊能力を持つ英雄」やらが
みっちり詰まってる訳で
そう思うとなんか笑えました。


でもまあ「本やらマンガやらの中の人物」が
そういう特殊な存在でも、別に違和感は持たないけど
現実は別物。
夢想はしてもいいけど、
心の中にその幻想を飼って、生きる力の足しにするのは全然OKだけど
現実にだだ漏れにすっと、えらいことに。


切り替えはきっちりせんとヤバイので
うまく飼いならして楽しく生きましょうね(・∀・)人(・∀・)
ってことでー


ちなみに私は
子供の頃、夢想大好きちゃんで、いろんなお話を考えたりはしてましたが
「本当の自分はこんなんじゃないんだ!」方向に行ったことは
残念ながら(?)ないです。
作者≠登場人物なのは、自明の理なので。


でも、ごっこ遊びは好きなので、
ネトゲはもっそい熱中して、キャラになりきってたので
大差はないのかな・・・・?


結局「現実との区別がついてるか/さくっと切り替えできるか」が
ポイントなんでしょうね(^_^;)。