砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

この本、
タイトルと、レーベル(最初に出たのが富士見ミステリー)のイメージから
ばりばりのライトノベルなんだろうと
勝手に思い込み、
あちこちで評判は聞いていたのですが
ずっと読んでいませんでした。


今回、角川文庫におりてきたので、初めて読みました。
そしたらまあ。
えらいヘビーな話でした(・_・;)
最初の版の、この表紙から
この内容は想像しませんよ、普通(;´д`)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)


なんか、この年になってやっと
「逃れえぬ地獄の中で、生きていくためには、
 ムリヤリにでも脳をだまさないと、1秒だって生きながらえることができないんだ」
という理屈が判って来ました。


いえ、もちろん実感では、判らないのですが
想像できる程度には脳が発達したというか・・・。


生き地獄のような環境があって、
でも、そこから逃れることは不可能で、
それでも、まだ自分から死は選べない。


その場所でどうにかして生きようと思えば。
自分の心を騙すか、麻痺させるしかない。


安全なところにいる人たちは
その行為を愚かだ、間違っていると責めるけれど
「生きながらえるために、その人が今そこで出来る、ただひとつのこと」
だったとしたら・・・?
安全な場所にいる人間が、それを責める権利はあるのか。


アルコール依存とか薬物依存も、
もちろん良くないことだし、
「さして厳しい環境におかれている訳でもないのに、ただ快楽におぼれるかのように依存していく人」も
もちろん多いと思いますけれど


そういう依存についても
ただただ単純に外から責められるほどには
単細胞ではなくなりました。


そういうふうな話をしたくなるような、
おはなしです。