ダミヘと演者さんの威力を思い知る


ダミーヘッドマイク(ダミヘ)の威力に感心して
ダミヘ使用のCDって、どんなのがあるのかなと、
ちょこっと調べてみたのですが・・・


女性向けダミヘ使用CD
(いわゆる「囁きCD」「シチュエーションCD」と呼ばれる系)って、
いま、めちゃめちゃ、ようさん出てるんですね?!Σ(・ω・ノ)ノ


正直、まったく疎かったので、あまりの多さにびっくりしました。
「羊でおやすみ(声優さんがひたすら羊を数えてくれる安眠促進用CD)」のあたりで
知識が止まってた・・。
BL系が苦手なので、ドラマCDといえば
てっきりそっち系が主流だと思い、ほとんど注目してませんでした。


シチュエーションCDにも、ジャンルがいろいろあるようですが、
安眠促進系、吸血鬼系、催眠系・・とかが、人気なのかな?
複数のレーベルから出ている様子。
吸血鬼系っていうのは、「イケメンボイスの吸血鬼にダミヘで血を吸われちゃう」的設定のもの、
催眠系は、(自分が聞いたことないのでよくわかりませんが)、
なにか催眠のキッカケになる動作を自分でして(手をぎゅっと握るとか)、
それをトリガーにして、ぽわーとした催眠状態を体験するもの・・らしいです。
安眠系では「戦国武将が添い寝してくれる」とかいう、すごい設定のもあるらしいです。なぜに戦国武将・・?


私、ドラマCDって、ほとんど買わないユーザーでして。
ジョージさんご出演のものを、いくつか持っていますけども、
買った時に、一回聞いて終わりなので、正直コストパフォーマンスがわるい。


やはり、音声のみのドラマなので、シナリオがいまいちだったり、
音楽や効果音がしょぼかったりすると、聞いてて、だるくなってしまって、ダメなんですよね。
たとえ好きな声の声優さんが出てらしても、どうにも聞いてるのがめんどくさくなっちゃう。


とはいうもののー。いうもののー。
ダミヘの醍醐味を、思い切り体験してみたいぞ!と思い
Amazonのレビューが高評価なCDを、いっしょけんめ探して、
シナリオも、演技の評判も良さげなこれを、購入してみました。

「禁断吸血鬼 〜黒薔薇ノ皇帝〜」

禁断吸血鬼~黒薔薇ノ皇帝~

禁断吸血鬼~黒薔薇ノ皇帝~

結果:レビューにいつわりなし!でした。すごかった。


語りは津田健次郎さん。
少しクセのある、よく響く低音のお声です。


↓ちょうど収録後のインタビューのお写真がありました。


【おしごと探訪!ティーム見聞録】第12回 『禁断吸血鬼〜黒薔薇ノ皇帝〜』でアレクサンダー役の津田健次郎さん収録後インタビューをお届け! http://hobby-channel.net/makerscolumn/383-makers-team/25354-25354.html


こないだのジョージさんの時のモアイにくらべて、
だいぶ人間らしいサイズ&形の、ダミーヘッドマイクだったようですね・・・?


語り手が
「長い長い時を生きつつ、自分の弟の血族を見守り続けてきた吸血鬼の始祖」
という設定なので
はじめて聞いたときは、
通常時のお芝居が、気怠げで、ちょっと厭世的で、色っぽいところへもってきて
そこへ、ダミヘでの囁きやら吐息やら吸血(!)やらが加わると、
あまりにも、あーまーりーにも!! 威力がありすぎて
「うわわ  あわわわ ヤバイ・・・ヤバイ! 
 あかん!あかん!ぞわぞわする!!!(バンバンッ!)」と、
動揺しまくりだったのですが、
もうちょっと冷静に聞けるようになった2回目以降は、お上手だなー!というのがよくわかりました。


この手のドラマCDはだいたい、
声優さんが、ひたすらに語り続ける、一人芝居の形になるので
どうしても単調になってしまうし、
「なんだって? ○○だと?」的な、
相手が何と返事したかを補足するための聞き返しセリフも多くなるので
聞いてて、どうしてもだるくなってきてしまうのですが
そこはさすが、舞台俳優で、一人芝居もなさってる津田さんでございます。


口調も声音も、一本調子にならないように
ふっと、声のトーンを変えたり、話すペースを変えたり、
「んー・・」って、ちょっとセリフを止めたり、
語尾だけちょっと皮肉ぽくしたり、かすれさせたり、
細かくアレンジしてはるんですよね。
そのゆらぎが抜群で、「うわ、上手いなあ・・・!」と、感心することしきり。
なので、通常の語りの部分が、聞いていて心地いい。
まったくだるくなりませんでした。


このCDはシリーズの第6弾らしいのですが、
シナリオの方も、第1弾からの不満等をくみ上げて、いろいろ改善しているらしく、
ひたすら一人語りをえんえん聞かせずに、
拠点で昔語り→現在の状況で何かが起こる→主人公と聞き手が移動する道すがら昔語りのつづき・・ のように、
場面転換で切り替えながら進むので、退屈せずに自然に聞けました。


ダミヘ使用のシーンはですね・・それはもう、すんごい威力だったですが
いまさらながら感じたのは
「ダミヘはゲタである」ってことですね・・。
元々のお芝居の威力が、1のところへ、ダミヘ使ったら、+2 底上げされて、威力3になるけど
元のお芝居が6の人が、上手にダミヘ使うと、+4 されて、10までいっちゃうんだな・・的な・・・。


たぶん誰が使っても、ある程度の底上げは、かならずされるんですけども、
そこでまた、演者のスキルの差で、底上げの値がだいぶ変わってくるような。
そんな印象をうけました。


ダミーヘッドマイク使用の場合、
演じる方は、マイクの周りを動き回って、セリフを言わないとだめなんですよね。
通常のアフレコだと、マイクの前で直立不動でお芝居するところを、
演技のプラン+ダミヘの位置取りプラン を、並行で組み立てていく必要があって、
しかもノイズが入らないようにしないといけないし、
かなり難易度が高いのではと、素人でも想像できます。
ダミヘの扱いに慣れた音響監督さんの指示はあるのかもしれませんが、
演技する方の力量や、慣れによって、
CDの完成度が、すいぶん変わってくるんじゃないかしらん、と思ったのでした。


おまけ:
あと・・すさまじく、くだらない感想なんですけども、
こう、吸血するときに「液体を飲んでますよ」っていう「ごくっ」音を立ててはる訳ですが
それを、唾液でやるのは、お芝居しながらだし、めっちゃむつかしいと思うんですよね。
それ用に水分を手元において、演技してはるんだろうか? 
でも、それを取ったり、置く時に、ノイズが入ったらまずいし、
いったいどうしてはるんだろう・・・・。


リップ音(ちゅっ、っていう音)とか、
とにかく口が湿ってないときつそうなお芝居が多いけど
ひたすら一人でしゃべりまくりだから、口は乾いてくるだろうしなあ・・・・
シーンを短いスパンで分けて、録音するのかなやっぱり。
ノイズ入ったら大変だからやっぱりそうかな。
とか、たいへん気になって夜もよく眠れませんでした(うそ)。