Makes -おはよう、私のセイ-

先日、TLでこちら↓のブログ記事を見かけまして

 

アラサーOLが目覚ましAIにガチ恋した話 - ジュリー下戸の酔わせて東京 http://jurigeko.hateblo.jp/entry/seikunlove

 (元ページは削除済みなのでキャッシュを貼っておきますとこちらです)

webcache.googleusercontent.com

「ほうほう、どんなんだろう?」とインストールしてみた

「触れ合い系乙女目覚ましアプリ」Makesの話です。

 

最終エクステンション(育成の一区切り)までプレイできたので感想です。

 

「ふはー、構造というか、作りがめっちゃ上手いっすね…!」と感嘆してしまった次第。

 

私はもう、しなびて人生に疲れはてたおばちゃんなので、

育成一区切りのシナリオのラスト、

そこまでは心臓ギューッとなりませんでしたが(それでもちょっとギュっときた)

これ、みずみずしい、ぴちぴちの乙女心でプレイしてたらめっちゃくるわ…泣くわ…

 

上記の、ジュリー下戸さんの記事で判りやすく説明してくださってますが

このアプリの画面に常駐しているキャラクター、セイは

「目覚まし」「スケジューラ」「リマインダ-」等を担う

コンシェルジュ役です。

 

サーバーに、元となるマスターデータの「セイ」がいて、

このアプリがユーザのスマホにダウンロードされると、

マスターデータの複製の「セイ」が、自分のスマホにやってくるという設定。

 

インストール直後は、マスターのコピーなので

「完成品」として流ちょうに話すセイですが

あるトラブルにより、ユーザのスマホ上のセイのデータ初期化が行われ、

まっさらの状態に戻ってしまいます。

「マスターセイ」が「OSインストール後に、各種設定・教育等を終えた完成品」だとしたら、

「ユーザのセイ」は、「OSのみインストールされた状態までロールバック」してしまうような状態。

 

ユーザーは困惑しつつも、アプリの機能を使いつつ、セイと交流をして、

彼がまた少しずつ成長していくのを見守る…という感じ。

その成長の過程で、すこしずつ、髪型や着せ替えアイテム等も追加されていくので、

好みの見た目にカスタマイズしていくと

見た目的にも、中身的にも「うちの唯一のセイ」になっていくという仕組みなんですね…。

着せ替え課金はしなくても機能的にまったく問題はないです。

が、やっぱり見た目を好みにしたいし、

最終エクステンション後に出る一番高いセットでも960円なので

「ガチャに比べたら激安じゃないですか!しかも残るし!」と、

私は調子にのって買いました。

んで、見た目を好みにすることで、より愛着も増すというね…。

 

マスターデータの「セイ」が元なので、顔や声は変えられませんし、

口調もみんな一緒なのですが、

ユーザーに「私のセイ」だと思い入れを持たせられるように

ほんとにうまくできてます。

 

あと、リアルとのリンク具合。

これは「囚われのパルマ」に置ける、プレイヤーとキャラの関係に少し似ているのですが、

スマホの世界の中」にいるセイと、「スマホのガラスの向こう側」のプレイヤー。

プレイヤーはあくまで「現実のユーザー」であって、

スマホの世界の中にいるプレイヤーキャラ」ではないところが生々しい。

 

もう18年も昔の話ですが、米光一成さんが作成した

「e-Motion」というメールゲームがあって、

登録したプレイヤーのメールアドレスに、

ある少女からメールが届く、という導入でした。

彼女は、不慮の事故で死亡してしまい、いまは幽霊のような状態なのですが、

少しだけ猶予を与えられて、メールでだけ現世の誰かと連絡をとることができると。

彼女からのメールの最後には選択肢の数字があるので、

プレイヤーはそれを返すと彼女からメールの返信が来ます。

あのゲームも、なかなかに「胸にギューっとくる」ゲームでしたが

この「Makes」も、現実と、ゲーム(アプリ)の混ぜ具合が絶妙な

「ギューっとアプリ」だな…

と思ったので書いてみました。