環境のことを考える機会も増えてきました


昨日、職場でぱらぱらと読んだ小冊子。


「実録 わたしのガスなし生活」(著:うえにしなつめ)


という、小冊子なのですが
コピーライターの主婦が、
新築のマイホームをオール電化にした感想を書いた、
という体裁の、
ちいさな絵本のような冊子です。


別に、声高に、オール電化を批判する内容では、ないのですが
実際に暮らしてみて「もやもやーん」と感じたことを、
ユーモアをまじえて書いてありました。


最初は、大好きな「焼きナス」が、作れなくなってしまうことを理由に
オール電化をしぶっていた主人公ですが、
実際に導入してみると、光熱費はかなり安くなった。


しかし、それは「深夜電力が安い」ゆえなので、
夜中になるといっせいに、
食器洗い乾燥機、生ゴミ処理機、洗濯機、エコキュート等が稼動し始める。
そして、「深夜電力が安い分、昼間の電気料金は割高」なので
(料金プランにもよるらしいですが)、
10時〜17時に電気を使うと、電気代が跳ね上がるので、
昼間にエアコンつけたり、料理したりするのには、注意が必要だそうです。
なので、17時すぎてからしか、お料理をしなくなったとか。


あと、火の気がないので、冬はやはり寒いそうな。


実際に体験してみた人の意見だなー、という感じで
おもしろかったです。
(まぁ、「ガス会社がプロモで配る冊子じゃん」、と言われれば、そうなんだけれど
主婦的視点で書いてあるのが、私には好感持てました)


※2007/10/11追記--------------------------------

この記事に対して、
オール電化キッチンだとオーブンを使った料理ができない」というのは、
いつごろの時代の話だろうか? 」というタイトルの記事から
トラックバック頂いてるようなんですが
小冊子自体に
オール電化キッチンだとオーブンを使った料理ができない」といった記述はありません。


私もそういう発言はしていない(つもり・・)ですが、
トラックバックURLから飛んでくる方も、いらっしゃるので
実際に冊子を見てない方の誤解をまねくといけないので、
補足しておきますね。



以下
「実録 わたしのガスなし生活」6ページ「哀しきヤキナス」より引用

「えー、
焼き網使えないの?
じゃあ、
ヤキナスはどうなるんですか?」



オール電化住宅をすすめる
営業マンに向って
真っ先に私が聞いたのは
ヤキナスの運命だった。


自他共に認めるお料理好きの私の、
夏の定番ヤキナス。
日本に生まれた楽しみの一つ。
ヤキナス。


直火で
真っ黒に焦がしてこそ
美味いのに、
火のないIHで
どうやって作れというんだ?

主人公、どこまでヤキナス好きやねん!(^-^;)とか
まあ、そういうのはおいといてですね(笑)
正確な原文は上記のとおりです。




気にし過ぎかもしれませんが、
自分の書いたことから、無用な誤解を招きたくないので
原文を紹介させていただきました。



※追記ここまで--------------------------------


んで、そっから派生して、
「環境面からみたオール電化問題に関する提言(中間報告)」という資料も読みました。(PDFファイル)


「地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)」によるものなので、
電力会社でもガス会社でもない、
第三者の意見として、読めてよいのではないかと。


きちんとした資料ですので
実際の内容については、直に読んでいただくのが、いいと思うのですが
私が興味ぶかいなと思ったのは、


オール電化は、「光熱費を下げる」のは確かだが、「環境負荷」は逆に上げることが多い
・現状、夜間電力は必ずしも余剰している訳ではない


という2点でした。


オール電化は環境にいい」という宣伝文句には、
常々、「???」と疑問を感じていたので
エコキュートという、特定の製品に関しては、環境負荷を下げる効果があるが
オール電化全体で見た場合、逆に環境負荷をあげているケースが多い」という結論に
納得しました。


平たく言えば


最初、電気を作るためにはCO2が発生する
→たくさん電気を使うということは環境負荷が高い
→「深夜の電気料金は安いから、たくさん使っても大丈夫」という考え方⇒環境負荷が高い
つーことです。


「安いからたくさん使っちゃえー」って考え方は、
「限られた資源を、いかに有効活用するか」っていう今の時代とは、逆行してますからねえ・・。


たとえば、「給湯に関してはエコキュート、調理はガス、暖房は灯油」みたいに、
やっぱり、それぞれの得意分野を混在させるのが、一番、環境負荷が低いようでございます。


夜間電力に関しては、
原子力発電所は、昼も夜もつねに一定量の発電をし続ける運用のため、
夜間は発電された電気が余剰してしまう・・」という話を、
私もずっと信じていたクチなのですが
東京電力のグラフによると、夜間の電力需要が小さくなる時間帯であっても、
原子力発電所の発電量を下回ることはないと読みとれる」とのことで・・・


余剰してないんなら、無理に使う必要はないじゃんよー!と。
「電力の売上を上げるために、深夜の電力需要をあげたい」という、
お商売の理屈はわかるんだけどね。
「需要が低い」のと、「作られた電気が余ってる」のとは、意味が激しく違うので
そこははっきりしてほしいよ。


ちなみに、給湯に関しては、太陽熱温水機が、いちばん環境負荷は低いそうです。
でも、日照が少なくて、お湯が作れない時の代替機能として、
ガス給湯器とは接続できるけど、
現状、電気温水器とは接続できないそうなので、
そこでエコキュートが接続できるようになれば、
いちばん環境負荷が少ない組み合わせになって、いいのでは?と
素人は思ったでありますよ。


温暖化で、こんなに夏が暑くなってしまってるんだから、
太陽熱で、さぞかし湯もよく沸くと思われ。