遙かなる時空の中で4

遙かなる時空の中で4(通常版)

遙かなる時空の中で4(通常版)

クリア後の全体感想

濃いい物語にどっぷり浸かると
しばらく、ぽーっとなっちゃうんですが
今その状態です。
もっそい濃かったー・・・。
でも、とても面白かったです!!
(最初っから「派生(追加)ディスク出ますよ!」っぽい構成なのは、ちょっとシャクだけど・・
「遙か4」単体として、十分なボリュームはあると思うので、ま、しょうがないかと)


これでエンディング曲のボーカルが、まともなら言うことなかったんですがね(^-^;)
歌がもっそいヘタ(爆)。曲はいいだけに惜しいです!
BGMは今回も良かった!遙かはいつも音楽が素晴らしい。


遥か4は、メインキャラの全てのEDを見ないと、やったことにならないんで
(全部のEDを見ないと損という意味ではなく、
そこまでクリアしないと、隠された真実が明らかにならないゲームシステムという意味)、
8キャラEDクリア+孤高の書ED→そして○○の書クリアまでは、それなりに時間かかりますが
プレイしてる方は、ぜひ最後までがんばっていただきたくー!!


だいぶ「乙女向きゲーム」の域を、
いい意味で超えてきてる気がします。
ストーリーの基本は骨太で、容赦ないところは、もっそいシビアですし。
「乙女ゲー的・理由無きご都合主義」みたいのは
「遙か1〜3」より、ものすごく減ってる感じ。
でも、だから読み応えあるんだけど。
(派生ディスクはどうなるか知りませんが)


個人的感想ですが、プレイした時の感触が、
うたわれるもの」に、かなり近かった。
「うたわれ」は、男性向きゲームで、女の子一杯出てきて、
みんな主人公(男性)に魅かれるんですが、
「主人公魅力的だしね、惹かれるよね、うんうん」って感じで、違和感ないし
ハーレム状態とか、ギャルゲーとかいうよりも、骨太の物語を読んでる感じのが強いんですよ。
「遙か4」はそれの、男女逆バージョンというか。
どちらも、性別問わずに楽しめると思うんだけどなコレ。


私が個人的に好きだなと思ったのは
「何かを手に入れるには、何かを失わなければならない」
「どんなにあがいても、変えられない運命も、ある」という前提のもと
物語が展開したところです。
これについてはネタバレあり版感想で詳しく書きたいです。


なので逆に、
「甘さ(ラブラブ)」な展開を期待する向きには、
今回はイマイチ不評みたいですね。
私は、特に不満はないんですけど。
イケメンキャラが、甘々なセリフをゆーてくれるだけのゲームなら、
最近は巷に溢れてそうだし(知らんけど多分)
遙か4はこれでいいんじゃないかと。
今回の登場キャラも、みんな好感持てて良かったです。
みんな漢前だったよ!(狭井君とレヴァンタ除く)


ボイスが少ないという意見には同感です。
フルボイスにする必要はないけど、イベントスチルがあるシーンくらいは、
全部ボイス入れて欲しかった。


そして声オタ的感想です。
むりやりキャストにねじこまれてる、声優じゃない方たちを除いて
本職の声優さんは、皆さん上手いのですが
やはり、石田さん(アシュヴィン)と、宮田さん(那岐)が突出してました。


アシュヴィンなんて、「・・・・・・・」っていう、無言部分でも
息の呑み方の演技とか、
シーンによって、全部細かく演技してるので、感嘆のため息でちゃいましたよ。
もったいなくて、既読でも、音声スキップできねえ。


同じ石田さんでも、遙か3のリズ先生は、低めに出してる「作った声」だったので、
どうしても不自然さが拭えない部分があったのですが
アシュヴィンは無理の無い音域だったので、
彼の「奔放で、傲岸不遜に見えて、根は優しく繊細」なキャラを、
見事に演じてらしたと思います。


那岐は、屈折したキャラクターなんですけど
その心のゆらぎ・・突っ張る時と、主人公に対してふっと緩む時の差が
お見事でした。
3の弁慶の時も思いましたけど、ほんと上手い。どんだけ引き出しあるねん。


井上さん(風早)も、包み込むようなところと、
強い意思で譲れないところのメリハリが利いてて
特に終盤、とても説得力のあるキャラクターでした。


今回、レギュラー声優陣が、担当キャラをシャッフルしているので
どんなもんかな?と思っていたのですが
違和感を感じたキャラは皆無でした。全員よかったです。

以下、クリア後・ネタバレあり感想です。


ネタバレ見たくない方はご注意を!


致命的なネタバレの嵐なので、
オールクリア前のかたは、見ない方がいいです。

以下、反転で読めます。(携帯で見てる方は、見えちゃってるので気をつけて!)

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「何かを手に入れるには、何かを失わなければならない」
「どんなにあがいても、変えられない運命も、ある」
という前提のもと
物語が展開したと思う、という話ですが


遠夜は、人になることで、土蜘蛛の力は失う。
忍人は、刀の力の代償を、自らの命であがなう。
大団円の書であってさえ、柊が消える運命は変えられない。
「何も失わず、全てを手に入れる」ことは、基本的には出来ない、
その一線が守られてたのが、自分には印象深かったです。


風早真EDでさえ、
一番最初、白龍に対して、
千尋は「誓約」を行う権利を勝ち取ったに過ぎず、
その後、勝利を得たあの時点でも、
世界と風早の両方を得ることは出来なかった。
風早は、神としての力を全て失う代償に、人としての生を得、
千尋に再会する。
自分のことを、もう覚えていない千尋に。


失って、得て、失って、得て。


そうして最後。
覚えているはずのない、風早の記憶を
千尋は魂の奥に持ち続けていて、それを取り戻す。
それはいわば、千尋が、魂の全力で「あがいた」ゆえの奇跡なんだろうなと。
「あがいても変えられない運命もある。
それでもあきらめずに、最後まであがくことで奇跡が起きることもある」
そういうラストに見えて、
なんだかとても胸うたれました。


遥か3は、時を遡れる「逆鱗」というアイテムによって
ゲームシステムと、ストーリーが矛盾しないようになってましたが
遥か4は、最後の最後に、
その「時空の螺旋」システムが明かされることによって
エンディングの盛り上がりに貢献してるのが良かったですね。
異なる9つのエンディングを見ていないと、
風早真ED=グランドエンドを迎えられないことに
ちゃんと意味づけがされているのが良かった。


遥か3の十六夜記で、
全てのEDを見てないと知盛EDに行けない、というのは
単なるゲーム的な都合であって、ストーリーとは関係なかったと
思うので。
(・・確かそうだったと思うけど、違ったらごめんなさい)