アイの物語

アイの物語 (角川文庫)

アイの物語 (角川文庫)

読了。おもしろかったです!


大分前に買ったまま、ずっと積んでいたのですが、
「一人で外でお茶飲むときに、
読むもの持ってないと手持ちぶさただろうな」
とひっぱりだして、読み始めたのが運のつき。


「とても読みやすいけど、なーんか、ありがちなお話だなー。
ティーンエイジャー向けかな?」と
読みすすめた、いくつもの物語が
最後のお話で「ぱちん!」と嵌まる、あの快感。
そういう意味では、見事な仕掛け小説ですね。
やられました。


たとえていえば、
コース料理で、
オードブルからずっと、食べやすいお料理が続いて出てきて、
「それなりには、おいしいんだけど・・ありがちー?」
って思ったころに、
「材料は、今までにでてきたメニューにあるものばかりだけど、
今までこんなの食べたことがない、すごいお料理」が出てきて
それを食べ終わって、
「うわーすごかった・・」ってなってたら
そのコースの余韻を最上級に高めてくれるような、
極上のデザートで締め、みたいな感じでしょうか。


何がいいたいかっていうと、
もし途中でだるくなってきても、第六話を読み終わるとこまでは、
がんばれと。
でも、前半すっとばして、6話と7話だけ読んでも、
そのおいしさ全部を味わうことはできないよと
いうことであります。


具体的に「どんなお話か」というと
裏表紙の紹介にあるとおり。
「機械とヒトの新たな関係を描く、未来の千夜一夜物語」です。
美しい「マシン」のシェヘラザードが語る物語に、
どうぞ耳を傾けてみてくださいませ。