ログ・ホライズン 感想その1

すいません、なんかハマりすぎて、頭の中ぐるぐる状態なので
感想文など書きなぐってみます。
(なるべく、具体的なネタバレにならないように気をつけつつ)


老舗のネットワークゲームエルダーテイル」の大規模アップデートの日。
主人公シロエ達、プレイヤー3万人が、
エルダーテイル」の世界に、閉じ込められてしまうところから
お話は始まります。
普通にPCの前でゲームをプレイしていた筈なのに、
気がついたら、自分が操作していたゲームキャラ(冒険者)の姿になり、
ゲーム世界の大地を踏みしめている。
何が起きたのかは、現時点では全く不明。元の世界へ帰る方法も全く判らない。


「異世界に飛ばされる」物語の、ある意味、定番の導入ですが、
そこが「全く知らない世界」ではなく、
「慣れ親しんだゲームの世界」であり、
「自分自身の体ではなく、使っていたゲームキャラ(冒険者)の体と能力」
であるというのが、独特です。


よくある「飛ばされ」系の物語では、
主人公(または仲間を含む少人数)が、生身のまま異世界に飛ばされ、
でも異世界では、なぜか不思議な能力持ちになってたりとか、
現代で身につけた知識を生かして活躍するのですが
それとはまったく前提条件が異なるのです。


ログ・ホライズン
「ゲームキャラの肉体と能力を持たされた人たちの、
街(ゲーム内本拠地)ごと、大人数遭難」。
そんなかんじです。


ごく少人数の「飛ばされ」であれば、
異世界の元々の住人たちに、いやおうなく接触して
保護されるなり、敵と見なされ追われるなり・・
という形で物語は進むでしょうが、
いわば「街ごとの遭難」なので、
そういう、「まず異世界の人間社会に直接接触」方向には、
進まないのです。
どっちかってと、「災害に見舞われて孤立した都市の状態」に、
ちかいかも。


物語紹介に「アキバから世界を変える」って書いてあって
なんのこっちゃいなー、と思うのですが
主人公シロエたちの街(ゲーム内本拠地)が、「アキバ」なのです。


他の物語のように、
「大きな異世界」の中に、「別世界から、少人数」が
混じりこんだのであれば、
「異世界」側は何も変わることなく、わずかな異物を吸収できるでしょう。
しかし、「圧倒的な能力を持つ、多数の人間が街ごと」
現れたならどうなるか?
異世界の側も、大きな影響を受けないわけにはいきません。


キャラクター達の言動や筆致が明るいので、
全体的には明るいトーンのお話ですが、
こうして背景だけ見ると、かなりの危機的状況です。
その中を切り抜け、すこしずつ状況を変えていく、
シロエたち冒険者の物語。


で、飛ばされた先の世界が、
「知ってるゲームの世界そのまんま」だったら、
まだ話は単純だったのですが
そうではない部分も多々あるというのが、
ますます話をややこしくしています。
言わば「ゲームの世界をベースにした異世界」でもあるということ。


「ゲームの世界に入り込んじゃった」って、
それだけ聞くと、「ありがち・・?」なんて思いますが
巻数が進めば進むほど、
「うわ、そんな単純な話じゃないのかも」って、ぞくっとさせられます。
3巻で、ほんの少しだけこの世界の一端が明かされますが、
この先どうなるのか・・。
不安ですが楽しみです。