ミミズクと夜の王

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

よかった。

おとぎばなしなんだけど。

よかった。

スレた大人が読んでも、やっぱり綺麗な物語は、綺麗なんすよ！
児童文学とか、絵本を思わせる、手触りの「ものがたり」です。
もちろん粗もあるんだけど。

あらすじは、知らずに読むほうがなんとなくいいかも。
どの登場人物も、初めて登場するシーンでは、名前だけなんですよ。
どこの国のどんな立場の人か、みたいな付帯情報は、一番はじめは説明されない。
なので先入観なしで、自分で想像した方がいい感じがするのです。

挿絵が無いのは確かに正解ですね。
登場人物の姿は、読者それぞれが思い浮かべるのが一番いい気がします。
あまり詳細な描写はされていないので、逆に読む人それぞれが
「綺麗」だと思うものを思い浮かべるのが、ベストでございましょう。

ちょっとだけ、不満をあげるなら
ミミズクの「ナイフへのトラウマ」は、とってつけたような感じが否めませんでした。
クライマックスの時に出てきたけど、一瞬理解できなかった位には
印象薄かった(^_^;)