屍者の帝国

レディースデーにお休みが取れたので行ってきました。
原作は導入部だけ読んでいたのですけど、映画見るときは先の展開を知らない方が楽しめるので
あえて先は読まず。

劇場版は、フライデーの設定が原作と全く違うのですね。
そこを知らずに行ったので、最初「あれっ?」となりましたが
2時間の枠の中で、お話の軸を判りやすくするには良かったのかも。

主人公ワトソンが
「フライデー(親友)に先に逝かれてしまい、屍者として蘇らせ、魂の復活をずっと願い続ける」設定なので、
どうしても
伊藤計劃氏と円城塔氏を重ねて見てしまいました。
「君の言葉をもっと聞いていたかった」というワトソンのさけびが
どうしてもね…。


あと導入部で特に感じたのが
「屍者と生者の違いは動きをみれば一目瞭然」っていう設定が、劇場版のアニメにする価値めっちゃあるな!
ということ。
やっぱりビジュアルで見せられるとすごく判りやすい。
作画する方は本当に大変だったと思いますけども。


ハダリーとバーナビーもすごく魅力あるキャラで
よかったなって思いました。
ラストの展開は正直、何が起きてるの?感がつよくて
(屍者にかじられただけで何かがインストールされちゃうの?えらく雑じゃね?という疑問が)
見終わった後も「???」でしたが、原作を読めばある程度理解できるのだろうか…。


キャスト的には100点。たいへん耳に心地よかったです。
最近細谷さんの声が好きになってきたなぁ。

以下はけっこうむき出しの感想。

                                        • -

あざとい。
しかしそのあざとさ故に最大級の効果をあげているなと
思いました。


伊藤計劃の原作が映像化されたものを見たいと思って
劇場に足を運ぶ観客であれば
この小説の成り立ち
(夭逝した伊藤計劃の絶筆を友人の円城塔が書き継いで完成させた)
を、知っているのが普通だと思います。

そこへ、原作とは設定を変えてきた。
「主人公ワトソンが、夭逝した親友のフライデーを
その「真実の魂」の復活を望んで屍者として蘇らせた」
という設定に。

もうねーこの時点でねー…
ものすごく色々かぶせて見ざるをえないわけで。
あざとい!


あざとすぎる!!


でもまんまとその手にひっかかりました。


ひっかかりすぎて、まだ原作を読み進められていない…