ペルソナ3クリア感想(ネタバレあり)


ペルソナ3クリア感想、ネタバレあり編です。
未プレイの方は、ご注意ください!












端的に言っちゃうと
「『死を思え』がテーマなのはいい。
でも、それにしては、死の描き方が、いまいち詰めが甘いんじゃなかろーか。」
というのが、自分の感想でした。


「誰でも、いつか必ず終わりが来る、それを意識して生きよう」
というのが、一番大きなテーマだと思うのですが
そういうゲームなのに、
「このゲーム、ストーリーの都合かしらんけど、ばたばた人死にすぎ」という感想を、
(自分の場合だけかもしれませんが)
ゲーム前半から抱いてしまったっていうのは
なんか、どっかが、微妙にずれてるんじゃないかなと。


「死とは、絶対不可避の、本質的に抗いようのないもの」として扱うなら、
チドリ復活のイベントは、絶対いれちゃいけなかったと
思うんですよね。
そんな、「利子の払い戻し」みたいな展開で、
「絶対不可避のもの」をひっくりかえしたらアカンやろ・・と。


あと、1/31のラストバトルの後、
3/3までの1ヶ月間は、おそらく元気に過ごしていた主人公が
その後の二日間で急激に衰弱するっていうのも、意味がよくわからない。
ラストバトルで力を使い果たしたせいなら、
2月の1ヶ月はなんだったんでしょう?
なんかニュクスがオマケしてくれたの?
記憶を失っていたから元気で、思い出したからガックリきた?
無意識のがんばりで、卒業式の日までは持ちこたえてた?
(だったらみんな集まるまでがんばれよ←ひどい)
うーん、わっからない・・


多分、気にならない人には、もっそい些細なことなんだと思いますが
私には、ひどくひっかかってしまった次第です(--;)
最後の最後で「へ・・?」ってなってしまったので
なんつーか後味の悪い終わりになってしまいました。


ただ、ひとつ言えることは
「3」は、ある種、「おとぎばなし」的なストーリーであり
「4」は、それよりは、だいぶ現実寄りなストーリーなのだろうな、ということ。


主人公の設定からして、明らかにちがいますもんね。
3の主人公を、「マレビト」って形容してはる感想を読んだことがありますが
私は、3の主人公は
「ものがたりのために用意された、犠牲の子羊」だと思いました。
なんというか、「生まれながらの捧げもの」みたいな感じ。
聖別されているけれど、最後は物語に捧げられるもの。
「おとぎばなし」のために、その存在が用意された彼は
「現代のリアル」からは、かなり遠い。
アイギスやコロマルも、おとぎばなし成分の最たるものです。


いっぽう、4では、
「おとぎばなし成分」は、ラスボスとクマに全部まとめられているので
(クマは敵じゃないけど、TVの中の世界に属するもの、という意味では同類かな)
「人間の姿をした敵」は、基本的にすべて現実の範疇にいる。


3の「人間の姿をした敵」である、タカヤやジンが、
どうやってゴハン代かせいで、普段どうやって生活しているのかは
「おとぎばなし成分」である彼らにとって、重要なことではないので、
おそらく、ちゃんとは考えられていない。
3の設定資料集には、もしかしたら書いてあるのかもしれませんが、
少なくともゲームだけやってるプレイヤーには
全く判らない、というか、設定されているようには見えない。


でも、4での「人間の姿をした敵」・・
犯人のネタバレになるんで、キャラ名は伏せますが、
勇者になっちゃったり、電波天使になっちゃったり、
血管浮いたマガツナンタラになっちゃってる彼らは
ガッコ行ったり、バイトしたり、仕事したり、
ちゃんと現実の一部として生活していることが見ればわかる。
ひとの世界に干渉するためとはいえ、「あの方」ですら、現実の一部としてなじんでる。
この差って、結構大きいなあ!と
自分は感じました。